❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――事故に遭ってから、一週間、菜緒は入院する事になり、智也にも―――会えなくなり、彼女は泣いていた。彼は事故の後遺症で、言語の障害が出てしまい、もっと別の病院に行く事になった―――どうして、自分を忘れてしまったの?―――私の所為なの?―――菜緒はずっと泣いた。『―――貴方・・・川野麻衣さんと、どういう関係だったの?私にだけは・・・教えて欲しいな。
事故の真犯人を探すために―――。』
其の言葉に、『―――事故の・・・犯人?』と言い、彼女はふと、何かを思い出したように、『―――まさか―――』と言った。否―――そんな、でも可能性はある―――。
『―――自殺・・・しようといていたのかもしれません・・・』
金田美紅は眼を丸くすると、『―――貴方・・・義理のお姉さん、だったのかしら?―――』と問う。誰もが信じる事が出来ず、今、智也は川野裕也に怒られていた。何故、妹を殺した?―――。
だけど、智也は喋る事もなく、ぼーっと天井を見つめていた。先ほど、疲れたと言い、休んでしまった。まるで殺人事件の捜査のようで、菜緒は必至に―――川野麻衣の事を、思いだした―――。
『―――義理の妹だけど、彼は―――智也に会いたい。私の所為だ―――お酒を飲み過ぎたから?―――私・・・どうしたら、良いの?』
其の言葉に、金田美紅は―――パシーンと頬を引っ叩くと、菜緒は吃驚したように見やった。金田美紅は怒っており、『―――貴方・・・私の娘を殺したのよ?その理由を聞いているの―――。』と叫んでいた。
―――え・・・えぇぇ?
む・・・娘えぇぇ?
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