❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
『―――そうよ・・・毎日聞かされていたのよ・・・貴方よりスタイルを良くしようとしたり、大胆な子が好きなのか、とも言っていたの・・・貴方さえ・・・いなければ―――。それも言っていた。』
其の言葉に、彼女は『―――で・・・でも、彼氏ができたって、家に来たことがあります―――。まさか―――彼氏と、やっぱり上手く行っていなかったの?』と言った。すると―――。
『―――良く言った・・・証拠を取った・・・声紋・・・貴方が悪くないって、証拠よ―――。』
菜緒は吃驚しており、『―――せ・・・声紋?』と声を張り上げた。まさか―――警察官?―――
彼女ははっきりと頷くと、『―――本職は・・・医者だけど、警察でもあるの―――。』と言う。
『―――貴方は・・・麻衣を救ってくれた事があるから、彼女だけは巻き添えにしたくない、そう言っていたの・・・亡くなる直前―――ごめんね・・・貴女が本当の事を言わなかったら、まじで逮捕するつもりだった。』
『―――私・・・彼女の方が・・・スタイル良かったと思います。好きな人の為に、命を投げ出そうとするなんて・・・代行タクシーに・・・問い合わせて欲しいです。代行タクシーが悪いのよ。貴方は・・・それを、聞いている筈―――。私ではありません。第一、私達が乗ろうとしていたタクシーは、その時間なら、家について、寝転んでいる所だと思います。』
『―――そう・・・貴方・・・私の嘘が、通じたようね・・・これで―――警察として、捜査する。』
―――待ってて・・・
娘を殺した犯人、捕まえてやる―――
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