❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀

お見合い中-――彼女はパンの話しと、チョコレートの話しと、イギリスの有名な作家と登場人物の話しや、とても楽しく色々な話をしていた。彼女はしっかりとした女性であり、とても面白い。菜緒は玉田由利と今川紗枝の二人と、菊地智也と一緒にパン屋だけでなく、ショコラもやろうと言い出した。お見合いの中、彼女は自分でも吃驚してしまい、思わず口を塞いだ。自分だけベラベラと喋っており、彼は無表情で聞いているだけで、いつの間にか、泣きそうになった―――。
『―――ごめんなさい・・・私・・・つい・・・』
だけど、彼はふわりと笑うと、「―――君は・・・面白い奴だな！！」と優しく言った―――。彼は優しく笑い、両親は吃驚した。彼女は思わず目を見張ると、其処には満面の笑みを浮かべた智也がいた。彼女は初めてのお見合いの中―――緊張しており、智也もそうだと言ってきた―――。
両親は顔を見合わせると、何かを思ったのか?―――『―――貴方達・・・私達・・・暫く、席を外すから、暫く、二人で話していて。直ぐに来るから―――。』と笑いながら言ってきた―――。
智也は笑顔で「―――はい！！」と言うと、菜緒は照れながら、『―――えぇぇ？？』と叫んだ。
二人は一緒に話すため、彼は自分の方に来るように言うと、彼女はドキドキとした―――。
ドキドキとしか―――心情が表せない。だから、智也はこちらに来ると、クンクン、と鼻を利かせた。彼女は吃驚してしまい、彼は『―――君・・・良い匂いだな！！！』と言った―――。
彼女はドキ、とすると、「―――え？」と声を上げ、泣きそうな声で相手を見やった―――。
すると、彼女は―――菜緒は腕を掴まれ、彼は自分の方をじっと見ていた―――。思わず「―――放して―――。」と言うと、そのまま彼女は抱きしめられた。距離が近くなり、顔が近くなった。
そう―――甘い、甘い、時間が過ぎて行った―――。