❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
彼は―――川野麻衣と一緒に付き合っていた時があった―――。彼女は泣いており、パシーンと引っ叩いた―――。役場のスタッフ達は吃驚してしまい、唖然としてしまった―――。彼女は―――菜緒も吃驚してしまい、『―――貴方・・・智也のなんなの?』と、思わず問いただした―――。
『―――貴方・・・彼女がいたの?酷いわ―――何故、あんなキスーーーしておきながら―――。』
こっちもパシーンと引っ叩くと、その場から、逃げてしまった―――。彼女は泣いた―――。其のまま走っていくと、自分の家に着いた―――。彼女は鍵を開けると、そのまま自室のベッドに横たわった。彼女は悔しくて、悔しくて、散々、泣いた。折角、籍を入れようという時に―――。
やっぱり自分には、結婚は向いてない―――そう思ってしまった。
『―――智也の・・・馬鹿ぁ・・・』
彼女は初めての恋人なのに―――どうして、付き合っていた人がいたなんて、言ってくれなかったの?―――酷いわ―――。
パシーンとして正解だったと思い、彼女は両親に報告しようとした。両親はその話に吃驚してしまい、『―――元カノ・・・くらい、何よ―――。はっきりと、その女に言ってやればいいのに―――。逆にそいつに平手打ちしてやれば、よかったんじゃないの?』とはっきりと言った。元カノーーー本当にそうなのか?―――果たして、川野麻衣とやらは、諦めてくれるのだろうか?―――あれから、一瞬間も経ち、直ぐに籍を入れる事も出来たのだろうか?―――男なんて・・・沢山いるのに―――。其の言葉に、彼女は眼を丸くすると、キスされた事を思い出した―――。
あの感触が忘れられない―――。
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