❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
以前、彼女は―――川野麻衣は、智也の元カノのようで、今は、そいつと縁切って、新しい人を見付け、お見合いに来たようだ。だから、気にする方が、馬鹿なんだ―――。そう言い張ると、両親は『―――なんて・・・単純・・・』と目を丸くしてしまった。彼女はドキッとすると、突然、電話が鳴り響いた。彼女は突然の着信音に―――吃驚し、そのまま画面をみていた。着信は―――智也だった。菊地智也でもあり、先程の、弁解をしようとして、電話してきたようだ―――。
『―――あ・・・良かった・・・出てくれた。先ほどは、悪かった―――あいつ、本当は妹だから―――。だから、余計な話で気にしてたら、と思って電話したんだけど―――あいつ、本当の妹ではないんだ―――貰われっこだった。だから、変な誤解してたら、悪かった―――。つまり―――幼女なんだ―――。だから、許してやって欲しい―――。あいつ―――俺の事、好きといっているが、気にするな―――俺が恋愛感情持っているのは、お前だけだから―――。』
その言葉に、菜緒は吃驚してしまい、彼女の気持ちを考えると、ズキッと胸を痛めてしまった。
だから、彼女は友達ではなく、妹として、接してあげてと言われる始末だった―――。
川野麻衣は今、菜緒と同じ年であり、パン屋さんを営んでいる、パン作りが上手い女性だった。パンを作れるなら、羽田菜緒は仲間に加えてあげたい―――そう思ってしまい、彼にはっきり言う。
『―――麻衣ちゃんって、いうのね?その子・・・パン作りが上手いなら・・・私達が営んでいる店で、雇いたいんだけけど、どうかしら?―――貴方も・・・パン作り、造ってくれるでしょう?』
其の言葉に、智也は眼を丸くすると、『―――俺も・・・雇ってくれるのか?ありがとう―――。俺も・・・お前の店で、働きたかった―――。』
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