❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――
―――あれから、彼女は一人でパンを焼いていた。玉田と今川と喧嘩してしまい、気まずい思いをしていた―――。彼女が出勤するだけで、他の誰も来なかった―――。一人で仕事をするのは、とても悲しいし、寂しい―――。皆で、ワイワイ騒いでいるお客様を見ながら、自分たちも―――笑ってパン屋を営んでいた―――。
コンクールを出た時、一緒に行く事になった―――。あのコンクールを出場する事が出来た―――。コンクールを出ると、彼女は―――好きでもあり、色々なパンを作ったりしていた―――。菜緒は悔しがり、ドン、と厨房を叩いた―――。其の目には、涙が浮かんでいた―――。
一人でいるのが、こんなに寂しいのか、彼女は泣いていた―――。泣きながら、彼女はパンを作っていた―――。彼女はオーナーシェフでもあり、レシピを考えなければならない―――。
御店を新しくするには―――彼女はオーナーシェフとして、いつものようにパン作りに励んでいた―――。
一緒に居る事が―――幸せだと思うか―――御前―――此の相手―――最低じゃないか?―――。
菊地は浮気性なのだろうか―――?―――智也は何処に行ってしまったのだろう―――。玉田と今川由利とは―――出ていかれて、一人で作る羽目になってしまった―――。ずっと好きだったのに―――。
『―――正直にいって・・・どうしても、貴方と一緒にいられない―――貴方の作る方が大変だし、めちゃくちゃだし、どうして―――貴方・・・こんなに下手くそになってしまったの―――?悔しい―――悔しい―――どうして・・・本当に悔しい―――。』
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