❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
味が分からなくなり、御店を辞めざるを得ない―――。菜緒はかなり落ち込んでいた―――。一緒に居てくれる人が、いなくなってしまった―――。菊地の事も振ってしまい、川野からはアプローチされ、彼が好きだった時の事を思いだしてしまった―――。彼女は菊地の事も好きだった為、菜緒は素直になれず、そのまま何処かへ⁽今川⁾-――行ってしまった―――。悔しい所だ―――。菜緒はずっと自分が男性を傷つけており、そう思った途端、彼女は泣きながら今川紗枝の家に行った。
自分はどうすれば、素直になれるのか?―――菜緒は、ふと空を見上げると、爽やかな風が吹き抜ける。風が吹き抜けると、さわさわと風音が聞こえる。彼女はいつも笑っていたのに―――。
好きな人を思い出す事は―――とても嬉しい時もあるが、とても悲しい時もある―――。だから、彼女は病院に入院する事になってしまい、精神病んでしまった―――。自分に寄ってくる相手は―――ろくでもない相手であり、自分は幸せとは程と遠い存在になってしまった―――。
『―――貴方・・・やっぱり、私の言う通り―――失敗したのね―――新店を建てる事―――。どうして、貴方は自分の事ばかり―――貴方はどうして―――私達が来なくなったのか、分からないの?貴方は・・・自分で勝手にやって・・・だけど―――。』
どうして、一緒に作ってくれないのかが、分かってしまった―――。自分たちの腕じゃ、作れるものも―――作れないだろう―――。そう思ってしまった―――。
『――貴方は・・・どうして、好きになったからって、人から逃げるの?―――貴方は自分を下げているの?どうして、自分の事を下げて、笑ったりできなくなるの?あれから、一度も貴方の笑顔を見たことないのに―――。だから、ずっと一緒にいるのに・・・麻衣は疲れたのよ―――。だから、焼けを起こして―――菊地智也を奪おうとしたのよ。どっちか決めなさい―――。』
< 48 / 212 >

この作品をシェア

pagetop