❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――
―――あれから、彼女は味も分かるようになり、チョコレートを作る事になった。ザッハトルテというケーキもあり、ガトーショコラもあり、色々なケーキもある。蜂蜜をいれたパンに、クルミとナッツを混ぜた、パンも出来るだろう―――。そう思った―――。クロワッサンの中に、チョコを入れてもいいだろう。そう思った―――。菜緒はレシピを見ながら、新しい店が出来る準備をした。ショコラとケーキとパンーーー全部を売ってみるように、ベーカリーとして、羽田菜緒として―――お菓子を買って貰えるようにしたい―――。シュークリームやアイスもジェラートも売る事になり、とてもお店が豪華になるように、一生懸命にメニューを考えた。味と右腕を治し、骨折も繋がる事になり、いつもと同じように働けるようになった。菜緒は智也と協力してから―――お見合いした時の様子を思い出した。お見合いしていなければ、菜緒は本当に一人になってしまう。
『―――菜緒・・・俺・・・お前が、好きだよ―――お前は?お前は・・・俺の事、好きなの?』
その言葉に、彼女は吃驚すると、ふわりと笑い、菜緒は頬に手を添えた。それから、口づけした。
『―――私も・・・貴方が好きだよ・・・だから、裏切らないでね―――。これから、一緒にいるんだから―――。』
はっきりと言われ、彼は満面の笑みを浮かべて、彼女は吃驚する程の、美人顔をみせた―――。彼女は美人であり、髪の毛を御団子にしている。普段は巻き髪の姿でもあるが、仕事の時は、御団子頭にしていた。御団子頭も結構―――似合う事もあり、菜緒はゆっくりと顔を近づけた―――。
『―――貴方には―――勿体なくて、あれは出来ないわ。緊張するし、恥ずかしいし―――怖い―――だから、それまで待ってね!!!』
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