❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――
―――あれから、彼女はリハビリを終えると、彼女は新店を出し、パティスリーになった―――。
パティスリーは世界中のお菓子を全部扱う、高度なお菓子屋さんでもある。ミルフィーユもあり、クリームにフルーツの乗っかったタルトもある。フルーツはお菓子には欠かせないものだ―――。
腕を地面にぶつけて売ってしまってから、今迄の味が取り戻せるかどうか、分からなくなった。
包帯を巻いており、彼女は入院三年間もする事になり、しぶとい味覚障害の治療も受けた―――。
ケーキの焼き加減もぐちゃぐちゃになってしまい、何処にでもだせないお菓子になってしまった。
ぐちゃぐちゃのケーキを見た途端、彼女はショックを受けてしまい、思わず寝込んでしまった。
彼女は泣いていた―――。菜緒はお菓子作りが好きで、一生懸命に頑張っていたのに―――。彼女は悔しくて、悔しくて、泣いてしまった―――。泣き叫んでおり、智也はなんと言ったら良いか、分からなくなってしまった。彼女はずっとパティスリーになりたくて、頑張って作っていた。
どうして、こんなにぐちゃぐちゃになってしまったのか?―――何故、上手く出来なくなったのか、しょんぼりしており、自分も悔しくて、悔しくて、彼女がどうやったら元気になるか、分からなくなった。智也はポンポン、と頭に手を撫でると、彼女は『―――ごめんね・・・智也―――。役に立てなくて―――。こんなにストレスになっていたなんて、思っていなかった―――。』と言う。その言葉に、彼は―――智也は眼を丸くすると、『―――俺が・・・ストレスの、元なのか?俺は―――御前にとって、邪魔なのか?―――どうして、此処に来ていると思っているんだ?お前の為に、此処まで同じ専門学校で、修行をして来たと思っているんだ?―――御前にとって、俺は何なんだ?―――。』
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