君だけが、ずっと好き。
空気を読んで帰るということより、伊吹への興味が勝ってしまったんだろう。




「…どーも、瑛茉ちゃんの腐れ縁くーん」




岳先輩がニコッと笑い、伊吹に握手を求めるように手を差し伸べた。




「…何者ですか、あんた」



伊吹はもちろん握手には応じず、むしろ岳先輩を思い切り睨みつけた。


一応年上相手だから敬語だけど、態度だけ見たらかなり喧嘩を売ってる。




「何者だと思った?今瑛茉ちゃんの家からでてきたの見て」


「ちょっと岳せんぱ」


岳先輩が余計なことを言う前に止めようと思ったけど、私は岳先輩の大きな手によって口を塞がれてしまった。




「…何者でもいいっすけど、なれなれしく瑛茉に近づくのやめてくれませんか」




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