君だけが、ずっと好き。
「だから…」




岳先輩を悪く言わないで。


そう言うつもりだったのに、言葉が出なかった。




── 伊吹が、私にキスをしたから。




視界が伊吹でいっぱいで、唇が熱くて、何がなんだかわからない。




「…アイツに突然キスされても、いい人って言えんの?」




パンッ!





「…っ、なんでそういうこと言うの…!?」




思わず伊吹の頬をビンタしてしまった。



伊吹は俯いたまま。




離れていっても熱いままの唇。


冷たい目をしたままの伊吹。


頭がこんがらがって、私は涙を流すことしかできなかった。




「そんな事を言うのためにキスなんかしないで…!っ、伊吹のバカ!最低… 」




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