君だけが、ずっと好き。



「──え、瑛茉が熱?」


「そうなのよ〜朝大きな音がガターンって聞こえて、リビングに行ってみたらソファで瑛茉が倒れててね」




瑛茉に置いていかれてるかも、と思いつつ迎えに行くと、瑛茉のお母さんにそう言われた。




「そのまま力尽きてソファで眠っちゃって、何度か声掛けてるんだけど…」


「そんなに酷い熱なんですか?」




元々体調を崩しやすい瑛茉だけど、熱を出すことは普段あまりなかった。




「今朝の段階で38.8℃だったのよ。病院に行く元気もないし、部屋に戻る気力すらないみたいだから…」




俺のせいだ。


瑛茉の傘が俺の家の傘立てにあると気づいたのは朝家を出た時。


音が出るほど強く降っていたのに、傘をささずに帰ったんだ。




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