君だけが、ずっと好き。
◆切恋オーガスト
【瑛茉side】
「瑛茉ー?伊吹くん来たよー」
「はーい!」
(どこも変なところないよね?大丈夫だよね?)
私は姿見の前でぐるっと回って全身をくまなくチェックする。
髪よし、メイクよし、浴衣よし。
(うん、大丈夫!)
ガチャ
「…お、お待たせしました」
「…ん」
勇気を振り絞って緊張で暴れ回る心臓を抑えて玄関を出る。
いつも通り、門によりかかる伊吹。
でも、今日は特別。
伊吹も紺色の浴衣をしっかり着こなして立っていた。