君だけが、ずっと好き。
「…伊吹?」




ふと顔を上げると、伊吹はスマホの画面をじっと見つめて眉間に皺を寄せていた。



…なんだろう、何かあったのかな。




── ピンポーン




「…わ、私出るね?」




宅配便かな。なんて思って立ち上がった。




ガシッ!


「…いい、俺が行くから瑛茉はご飯食べてな」




伊吹は玄関に行こうとしていた私の手首を掴んだ。


(顔、怖い…)




── ピンポーン


「ほら、どいて」




もう一度インターホンの音が響き、私の横をすり抜けて伊吹がリビングを出ていった。



パタン、とドアの閉まる音。




…嫌な予感がした。




「…っ」




(もしかして…)




ねぇ、伊吹。


そのドアの向こうにいる人、誰だか分かってるの?



普段なら私に出させるくせに、なんで今日だけ自分で行くの?




「──伊吹くん!お誕生日おめでとう!」




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