君だけが、ずっと好き。
「「ごめんなさ……」」




お互いにパッと顔を上げ、視線が絡んだ瞬間。


私の頭は真っ白になった。



だって…




「あなた…伊吹の」




風に揺れるやわらかそうな髪からふわっと女の子らしい香りがした。




「…一華、さん…」




フラッシュバックするのは彼女のSNSの写真。


伊吹とのツーショットだった。




パッチリ二重の大きな目に、色素の薄い瞳。


小さな鼻にうすい唇。




伊吹の隣で笑っていた女の子が、目の前に立っていた。




「なんだっけ、確か…天羽瑛茉!」




思い出したように私の名を呼んだ彼女はニヤッと不敵に微笑んだ。




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