君だけが、ずっと好き。
顔だけじゃなくて性格も比例するようにいいアイツ。


滝沢岳。


あいつが瑛茉をどう思ってるかなんて知ったこっちゃないけど。




『──可愛いよね。ただの幼なじみならもらってもいい?』




思えば、そう耳打ちされたあの日。


瑛茉の家の前であいつと初めてあった日から、俺は焦っているんだと思う。




『天野くんって見かけによらず冷たいよね〜』

『顔だけで言ったら圧倒的王子様なのに』




中学時代、俺への評価はいつもこうだった。


顔だけ見て勝手に期待されて。


そのたびに勝手に幻滅されて。


どうでもよかったけど、腹は立った。




顔だけで判断すんな、期待もすんな、俺は俺だって。



わざわざ言うことでもなかったから言わなかった。




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