君だけが、ずっと好き。
「ほら、私ご飯食べてる途中だからちょっとパス。伊吹〜」
泣きじゃくる私をべりっと剥がして、押し付けるように伊吹の所へ背中を押す由紀。
そんな涙でぐちゃぐちゃな私を見て、伊吹は笑った。
「はぁ…ほら、おいで」
優しい目で、優しい笑顔で、腕を広げてくれた伊吹の胸に飛び込んだ。
その瞬間、何かがプツンと切れたように。
私は子供のように声を上げて大泣きしてしまった。
もう、何も考えられない。
伊吹の香りに包まれて、クラクラしてしまいそうで。
胸のドキドキが止まらなくって伊吹に聞こえちゃうんじゃないかとか。
全部、今だけ忘れて。