君だけが、ずっと好き。
*   *   *

「──はぁ!?フラレた!?」


「しーっ!!!声がでかいよ由紀!」




私はあわてて由紀の口元にクッションを押し当てた。




パーティーのあと、お母さんに許可を貰って泊まることになった由紀。


私の様子がおかしいのに気づいた由紀に、さっきのことを洗いざらい話して今に至るんだけど…





「何の冗談!?嘘でしょ!?」


「…嘘、だったらよかったのにね」




5年も想っていたのに、時が止まってしまったようで実感がわかなかった。




私の “ 好き ” に対し、伊吹は気まずそうに目を逸らした。


言葉で聞かなくても、それが答えなんだろう。




…むしろ、はっきり言われなかったからあの場で泣き崩れずに済んだから良かったと思う。



今でも、何故か涙は出ないけど。




「…意外と平気そうなのはなんでなの?」



「なんで…だろうね。自分に起きたことなのに、実感湧いてないからかなぁ」




< 248 / 323 >

この作品をシェア

pagetop