君だけが、ずっと好き。
「やかましいわ!!」




私は繋いでない方の手で伊吹の肩をビシッとたたいてやった。



まったく、この男は…!




なんて、私たちに足りない恋人らしさはこういう所なんだろうなぁ。


色気がないんだ、まったく。




私からDVDを受け取ってお会計をして来てくれた伊吹を見つけてふと思いついた。




「…………伊吹」




カップルらしく、たまにはしたいじゃん。



たまには私だって、女の子らしく甘えてもいいよね?



いつもは伊吹からアクションを起こしてくれるけど、私から踏み出してみてもいいよね…?





「…手、つなご?」




握っていたカイロをポケットにしまい、手を差し出すと伊吹は目が点。



そりゃそうだ。私からこんなこと言ったことないもん。




…目がまん丸の伊吹、可愛いな。なんて。


ちょっとイタズラ心をくすぐられた気がした。





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