君だけが、ずっと好き。

ニッと笑うその笑顔すら、独り占めしたくなってしまう。




「すき…」


「なんて？聞こえない」




なんて、絶対聞こえてたくせに。




「好き、本当に好き。いつもありがとう」




私は自分からぎゅっと伊吹に抱きついた。



人が多いのは分かってるけど、恥ずかしさより好きの数値が遥に上回っていた。


とにかく伊吹が愛おしくて、近づきたくて。



肩に顔を埋めると、伊吹もそっと抱き締め返してくれた。




「…何、急に素直になってんの」


「んーん、好きだなぁって思った時に言っておきたいって思って」




一緒にいる時間はもう少しで減ってしまう。



そうしたら、直接伊吹に好きって言える機会なんてほとんどなくなってしまうから。




「──も…」


「…え？なんか言った？」