君だけが、ずっと好き。
抱きついた頭上で伊吹がポツリと呟くから、ぱっと顔を上げた。




今…もしかして。




私が顔を上げたと同時に伊吹はぷいっと顔を背けた。




「…別に、なんも言ってない」




ツンとした態度をとるけど、私ははいそうですかとなかったことにはできないよ。




「ねぇ、私の聞き間違えじゃなければさ?今、“ 俺も ” って言ってくれたよね?」



「…………知らね」




少しの沈黙の後にぼそっと否定した伊吹。




嘘つくの、下手になったね?


ううん、私が鋭くなったのかな。




だって…




「耳、真っ赤だよ伊吹」


「…っ、うるさい」




そう言って私の目を手でおおってくる伊吹は少し焦っていた。




「…ふふっ、可愛い」




ついそう漏らしてしまったけど、そう言った瞬間伊吹は黙り込んで。




「伊吹?あれ、いぶ…」




少しだけ不機嫌そうなキスが私に落とされた。




「次可愛いって言ったらぶっとばす」








神様、どうかお願いします。


これからもずっとずっと、伊吹と一緒にいられますように。






< 308 / 323 >

この作品をシェア

pagetop