君だけが、ずっと好き。
ガチャ


「いつまで入ってんの?ここ気に入ったの?…って、何で泣きそうな顔してんだよ」




安心して力が抜けていたら、外から伊吹がロッカーを開けた。


そして半泣きの私を見て眉をひそめた。



一方の私は一難去って、伊吹の顔を見たら安心しちゃって。



「いぶぎ〜!!」




そのままロッカーから飛び出し、伊吹に飛びついて顔を埋めた。




「…どうした」



「バレたら反省文だし、停学とか退学になっちゃったらって悪いことばっかり考えちゃって…!伊吹の受験の邪魔になっちゃったら」




なんて言うと、伊吹は目を丸くした。




「…ふはっ、バレるとかそんなヘマするわけねえだろ。
第一相手はあの霧谷だし、100%バレない自信あった」




伊吹は私の背中に腕を回して背中を優しくさすってくれる。




伊吹の柔軟剤のような優しい香りに包まれて、緊張も不安も全部吹き飛んでいく感じがした。




< 50 / 323 >

この作品をシェア

pagetop