君だけが、ずっと好き。
「おやすみ、伊吹」


「あぁ、おやすみ。明日は起こしてやれないんだからちゃんと起きろよ?
あ、あと腹出して寝ないこと。」




そう言った伊吹は私の肩にかかっただけだったパーカーのチャックを1番上まで引き上げた。




「あんたは瑛茉のお母さんか」




(うん、由紀ナイスツッコミ。)




「ばいばい」




布団に2人で入ってドキドキ!なんて甘いシチュエーションにはならなかったけど、これはこれで全然ありだ。



ううん、むしろ幸せすぎて表情筋が緩みっぱなし。


(いい夢見れそう!)




「 ── 瑛茉」


「ん?」


「楽しかった。来てくれてサンキュ」


「…っ!!」




そうやって、また不意打ちの笑顔を私に向けるんだ。



ずるいよ、伊吹。



…こんなんじゃ、私はいつまで経っても諦められないよ。




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