君だけが、ずっと好き。
瑛茉は声をかけてもなかなか起きない上に、起きてからしばらくぼーっとしてる。


これはいつもの事だ。俺は慣れてる。


いつも、朝は一緒に行こうね、なんて言うくせに、待ち合わせなんかしても奴は現れない。


100%遅刻。あまりまえ。




はじめは仕方なく家まで迎えに行ってやる程度だったけど、いつからか瑛茉の母である瑛里(えり)さんに瑛茉を起こすことから頼まれるようになった。




「先生、全員いました」


「おー、サンキューな天野ぉ」




霧谷はベンチにぐでっとだらけたままヒラヒラと手を振った。


こいつはこれでも教師なんだろうか。




(学年主任にでもバレてしまえばいいのに…)




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