やがて春が来るまでの、僕らの話。
「意味わかんなくて訳わかんなくてむかついてイラついて死にたくなって、それでもお前がどっかで生きてるって、そう思って生きてきたんだよ……!そういう俺らの気持ちを、お前は分かってんのかよ!!?」
「、…」
カッシーが怒鳴るように放つ声に、ハナエちゃんの目に涙が浮かんだ。
「大体なんだよ、律くんに会ったなら俺らにも会いに来ればいいだけの話しだろっ。結局お前は俺らに会いたくなかってことなんだろ!?」
「ちが、」
「俺らがどんな気持ちで過ごしてきたかなんて考えもしなかったんだろうよ!?」
「なに言ってるの、私だって、」
「自分のことで必死で自分だけ大事で、そうやって過去なんか捨てて生きてきたんだろ!?」
「、っ過去なんて捨てられるわけないじゃん!大体私がどんな思いで過ごしてきたかも柏木くんは何にも知らないでしょ!?自分だけが被害者みたいに言わないでよ!!」
「知らないよ知るはずねぇーよ!!勝手にいなくなったのはお前のほうなんだから知るわけねーだろ、!」
向かい合って座る2人が、立ち上がる勢いで言い合いを続ける。
そんな2人の言い争いは……
「……落ち着きなよ、2人共」
南波くんの言葉で、終止符を打った。