やがて春が来るまでの、僕らの話。


それからみんなは大盛り上がりで、その光景が本気で嬉しかった。


よかった、やっぱり杉内と南波くんがいる時にして正解だった。

だって多分俺らだけでの再会だったら、こんな空気にはならなかったから。

2人がいてくれたらきっと最後は楽しくなるなって、そう判断したことは間違いではなかったな。



「ねぇ2人ともお腹空いてるでしょ?食べ物は?」

「やっぱあれじゃない?南波くんと杉内おススメの」

「「でじる!」」

「でじ、、」

「あ、またハナエちゃんがツボに入った」

「あれ、さっきまで泣いてたのに」

「俺焼きおにぎり」

「おいカッシー!俺のでじるに興味を持てよ!」

「あとねぇ、『だし』が自慢の鍋も頼んでみよっかなー」

「は!?テメ、なんで漢字読めんだよ!」

「はは、いいコンビ誕生」


そんないいコンビが誕生しつつ、久しぶりの再会を果たした俺達は、空白の7年を埋めるように騒ぎ倒した。

喉を流れるビールはいつもより断然美味いし、そのお陰で気分も最高。


うん、今日は最高にいい日だな!










「あー、美味かった!」


散々飲んで食って外に出てすぐ、杉内は空に向けて体を伸ばした。

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