やがて春が来るまでの、僕らの話。
「これからどうする?」
「カラオケでしょカラオケー!」
「すげぇな杉内くん、あんだけ飲んであんな元気とか。で、お前は大丈夫なの?」
志月の視線が向かった先には。
「……へーき。」
目が半分開いていないハナエちゃんがいる。
その顔は、見るも無残なほど真っ赤だ。
これ、絶対平気じゃないだろ。
「ね、ハナエちゃんもカラオケ行こー」
「うおー!行こー!」
平気じゃないと思いきや、杉内と肩を組んでハナエちゃんが歩き出す。
そんな先頭二人に、俺たちも仕方なくついて歩いた。
「にしてもさぁ、モテそうだねぇ、中学の先生とかやばくね?」
恐らく酔っている南波くんが、志月に絡みだす。
「え、俺?」
「女子生徒がほっとかんしょ?」
「んなことないけど」
「うそだー、俺が生徒ならほっとかんぞ!」
「……南波くんて、そっち系?」
「え、そーなの!?」
「んふふー」
「んふふ、気が合いそ」
すかさず肩を組んだカッシーに答えるように、南波くんも肩に腕を回した。
「カッシーは完全ノーマルだろ」
「俺だってノーマルだい!」
「あ、そうなの?」
「んふふ」
「え、どっち!」
どっちでもいーじゃーーん!って叫ぶカッシーと南波くんは、なんとも楽しそうに歩いてく。
いやいやいや、意気投合のポイントがさっぱりわかんないんだけど。