やがて春が来るまでの、僕らの話。


「つーかどうなの仕事、順調?」

「んー、まぁ1年目だから担任持ってる訳でもないし、今のとこは大丈夫かな」

「カッシーは?仕事どうなのー?」


俺と志月の少し先を、南波くんと一緒に騒いで歩くカッシーに尋ねた。


「まだ先輩に着いて回るだけだし~」

「そっか、まぁ新入社員なんて1番大変な時期だろうから、あんま無理しないで頑張れよ」

「へいへーい」

「はは、律くん二人の兄ちゃんみてぇ」


そんな話をしていたら、数メートル先にいる杉内たちがバカみたいにスキップしだして、どんどん距離が延びて行く。


2人を追いかけてカラオケに入ったら、南波くんとハナエちゃんは途中で爆睡してしまって。


みんなでひたすら騒いで、カラオケを出たのは午前5時。

明日は日曜日、みんな仕事は休みだから帰ってゆっくり寝るに限るな。






「一緒に住んでんだって?」



ハナエちゃんをおぶってカラオケから出ると、志月が俺の隣に立った。

向こうでは南波くんをおぶってる杉内が重ぇ重ぇって喚いてて、

そんな杉内をくすぐって楽しんでいるカッシーがいる。


「付き合ってんの?」

「え、」

「ハナエと付き合ってんの?」

「いや、そういう訳じゃないけど」

「ふーん」

「色々事情があってさ」

「そっか」


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