やがて春が来るまでの、僕らの話。


「そう、彼女が元クラスメイトの谷さん」

「へぇ~、イメージと違うのねぇ~」

「谷さん、私の友達の宮岸光子(みやぎしみつこ)。みっちゃんって呼んであげてね」

「みっちゃんでぇ~す、お噂はよく聞いてるわ~、よろしくねぇ~?」

「あ、ど、どうも、よろしく……」


堅い握手のあと、その手はブンブンと上下に振られた。


い、痛い……。



「そういえばあそこに柏木くんと若瀬くんもいるけど、会った?」

「え、カッシーと志月くん、ここにいるの?」

「うん、あのカウンターの端に、」

「なにぃぃ!?あそこに座るイケメンたち、あんたらの知り合い!!?」


突然、みっちゃんがものすごい勢いで立ち上がった。


「知り合いなの!?」

「は、はいっ」


みっちゃんの勢いに押されて、私の体は仰け反っていく……

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