やがて春が来るまでの、僕らの話。


「クマさん…」

「……」

「違います、ほんとに違います、!」




私じゃない、


本当に絶対に私じゃない……




なのに……





「…ちょっとこっち来い」

「、…」




全身に冷たい汗が流れていく感覚がした。




なんで……


私、なにもやってないのに……







連れられた事務室の中で、クマさんはイスに座り込む。

腕も足も組んで私を見上げるクマさんに、心臓がドクドクと痛く音を鳴らす……



「お前がやったのか?」

「違います」



座って私を見上げるクマさんは、重苦しい息を吐いた。


まるで私が犯人だって言うような、重い息……



「じゃあなんでお前のカバンから出てくるんだ」

「、…」


そんなの……

そんなの私が聞きたい。



「…わかりません」



なにをどう言えば誤解が解けるのか、全然わからない。


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