やがて春が来るまでの、僕らの話。



現実が痛くて。


毎日が辛くて。



私たちの人生は、痛みと辛さの連続だ……













「…なんでいんの。」

「……。」



朝、床の上で目が覚めた。

同じタイミングで起きたたしい柏木くんが、少し離れたところに寝転んで怪訝な顔で私を見ている。


寝転ぶ2人の周りには、大量のお酒の空き缶たち。


あれ……ここ、どこ。


「なんでお前、人んちで寝てんの」


え、ここ、柏木くんの家?


え、……なんで。



「あー、頭痛ぇ…」

「、」


柏木くんが頭を抑えて起き上がるから、私も起き上がる。

昨日のことはあんまり思い出せないけど……なんとなくは、覚えてる。



“じゃあ……一緒に死ぬ?”

“…陽菜んとこ、一緒に逝こう”




「、」



一緒にいるって決めたから、だから私はここにいる。


きっと、自分の意思でここにきた。



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