やがて春が来るまでの、僕らの話。



「柏木くん、」

「俺は大丈夫だから」

「、」

「それ飲んだら、ちゃんと帰れよ」

「、…」


帰る、けど……

柏木くんを1人にして、平気?


死んだりしない?


それが怖くて、凄く怖くて、だから陽菜の代わりにずっと一緒にいるって、そう思ったのに……



「私、帰らない」

「は?」

「ここで柏木くんと一緒に暮らす」

「……」


真剣に言ったのに、目の前の柏木くんは超イヤそうな顔。

むかつくぐらい嫌そうな目で、私を見てる。


「あー、無理無理。俺快適な1人暮らし満喫してるんで、無理ー」

「……」


別に、無理なら無理でいいけど。

でもなんか、言い方がむかつく。



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