やがて春が来るまでの、僕らの話。
「……あれ?」
横の窓ガラスの向こう側。
ベタリと張り付くようにこっちを見てる、男3人とオネエが1人。
「杉内くん、たち」
「……」
偶然ですか必然ですかそれとも運命ってやつですか?
俺的には本当にまじで苛立つくらいのタイミングに、ため息すらもう出ない。
「お邪魔しまーっす」
失業中とは思えないくらいにスーパー元気な杉内が、店の中に入ってきた。
「律くんとハナエちゃん、偶然だね」
「あらやだ本当に偶然ね~!」
「いや、つーかまじで偶然だからね?」
「……」
杉内に南波くんに志月にみっちゃん。
なに、この組み合わせ。
こんな日中にこの4人でなにしてたわけ?