やがて春が来るまでの、僕らの話。

<ハナエside>



「みっちゃんこれ買いすぎじゃない?」

「でしょ?もー、どんだけ食べる気なのって」


荷物を運ぶ律くんに続いて、むっちが苦笑いでリビングへ入ってきた。


「だってぇ~、ヒデトに栄養豊富なものを食べて欲しくって~」

「の割りには全部出来合いの物ばっかだけど」

「いいのよ~、私の愛情が豊富に詰まってるから~」


律くんとむっちから少し遅れて、カッシーとみっちゃんも登場する。


「すっげぇご馳走!」

「光男の奢りだって」

「いいのよ~、お金だけはあるから~」

「カッシー、お前みっちゃんと結婚しろ!」

「どこのホラー映画だっつーの」

「失礼ね!せめてコメディ映画でしょ~!」

「あはは、コメディでいいんだ」

「ラブストーリーではないんだね」

「あれ、ところで志月くんは?」

「さっきLIMEしたら、残業になっちゃってまだ学校って言ってた」

「あら、学校の先生も忙しいのね~」


賑やかな会話のあと、早速「いただきまーす」って声が聞こえる。

何食べる?って律くんに聞かれたけど、あんまり食欲がない。

さっき泣いたせいか、頭も少し痛い気がする。

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