やがて春が来るまでの、僕らの話。
「…どうしたの?」
「、」
動きを止めた俺を、ハナエちゃんは不思議そうに見上げてる。
「…ごめん」
「……」
「ごめん、…」
「、」
体を起こして行為をやめた。
やっぱりなにかが違う気がして。
やっぱりこんなの違う気がして。
カッシーが、悲しんでる気がして……
「…律く、」
「ごめん、今日はもう寝るわ」
1人先に立ち上がって、彼女を残し歩き出す。
「待って律く、」
「ごめん、疲れた」
「、…」
この日……
呼び止めた彼女の声に、俺は見向きもしなかった。
少しでも、
ほんの少しだけでも耳を傾けていれば……
俺たちの未来は、違う形になっていたかな……