やがて春が来るまでの、僕らの話。



「浴衣の帯を解いていいのはヒデトだけよぉ~」

「すげぇなカッシー、帯外すとか男の憧れじゃん!」

「オカマの帯そんなに外したいならどうぞ」


タイミングよく表れた柏木くんが、みっちゃんの背中を押して杉内くんに差し出した。


「え、俺どっちかっつーと女の子の帯がいい!」

「失礼ね、私のどこが女の子じゃないって言うのよ!」

「どっからどう見てもオカマだろ」

「ヒデトてめぇシバかれたいのか!?」

「もー、だから俺好かれてんじゃねーのかって」


苦笑いを浮かべるみんなの元に、また1人、仕事を終えたむっちが合流。


「やっほー、なになにー、随分盛り上がってるねー?」

「盛り上がってないわよ!ちょっとむっち、私どう見たって清楚な女の子よね!?」

「え……清、楚?」

「なんで清楚付け加えられてんの」

「、ク…、くくっ、…」

「ちょっと南波くん!アナタなに腹抱えてんのよ!」

「、苦し、、…」


若瀬くんと律くんを待つ輪の中で、南波くんはみっちゃんたちのやり取りに今日も大爆笑だ。


< 452 / 566 >

この作品をシェア

pagetop