やがて春が来るまでの、僕らの話。
「浴衣の帯を解いていいのはヒデトだけよぉ~」
「すげぇなカッシー、帯外すとか男の憧れじゃん!」
「オカマの帯そんなに外したいならどうぞ」
タイミングよく表れた柏木くんが、みっちゃんの背中を押して杉内くんに差し出した。
「え、俺どっちかっつーと女の子の帯がいい!」
「失礼ね、私のどこが女の子じゃないって言うのよ!」
「どっからどう見てもオカマだろ」
「ヒデトてめぇシバかれたいのか!?」
「もー、だから俺好かれてんじゃねーのかって」
苦笑いを浮かべるみんなの元に、また1人、仕事を終えたむっちが合流。
「やっほー、なになにー、随分盛り上がってるねー?」
「盛り上がってないわよ!ちょっとむっち、私どう見たって清楚な女の子よね!?」
「え……清、楚?」
「なんで清楚付け加えられてんの」
「、ク…、くくっ、…」
「ちょっと南波くん!アナタなに腹抱えてんのよ!」
「、苦し、、…」
若瀬くんと律くんを待つ輪の中で、南波くんはみっちゃんたちのやり取りに今日も大爆笑だ。