やがて春が来るまでの、僕らの話。
「ねぇ、つーかなんで2人がここにいんの?」
「俺んちに俺がいてなにが悪ぃんだよ」
「じゃなくて、ハナエちゃん。なんでカッシーんちにいんのって!」
「住むからじゃない?」
「え、誰が?」
「ハナエが」
「え、私ここに住むの?」
「そう住むの。だってずっと一緒にいるってそういうことでしょ?」
「そう、だけど…」
「え、住むの?え、だって、」
杉内の言う「だって」の続きを考えるなら。
“だって律くんは?”
そう続きかけた言葉に、きっとハナエも気づいてる。
「俺とハナエはこれから一緒に住んで、一緒に暮らして、一緒に生きんの」
「生きる…?」
「だから…」
だから杉内。
「帰れや。」
「言い方、ひでぇ!」