やがて春が来るまでの、僕らの話。



「ねぇ、つーかなんで2人がここにいんの?」

「俺んちに俺がいてなにが悪ぃんだよ」

「じゃなくて、ハナエちゃん。なんでカッシーんちにいんのって!」

「住むからじゃない?」

「え、誰が?」

「ハナエが」

「え、私ここに住むの?」

「そう住むの。だってずっと一緒にいるってそういうことでしょ?」

「そう、だけど…」

「え、住むの?え、だって、」


杉内の言う「だって」の続きを考えるなら。


“だって律くんは?”


そう続きかけた言葉に、きっとハナエも気づいてる。



「俺とハナエはこれから一緒に住んで、一緒に暮らして、一緒に生きんの」

「生きる…?」

「だから…」



だから杉内。



「帰れや。」

「言い方、ひでぇ!」


< 479 / 566 >

この作品をシェア

pagetop