やがて春が来るまでの、僕らの話。
飲み物を買いに教室を出て行った二人を、俺たちは見送った。
隣から暗いオーラを感じて、こいつ結構マジでカッシーに惚れてんだなって、なぜか俺が実感したりして。
「ハナエも飲む?温かいの」
「え?」
「ココアでいい?」
「あ、うん」
「ちょっと待ってて」
すぐに教室を出て、先を歩く二人を追いかけた。
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「あれ、志月くんどしたの?」
一階の自販機のところにいた二人は、すでに飲み物を買い終えていた。
「俺らも温かいの飲みたくなって」
「えー、やっさし~、買いに来てあげたんだ?」
「そ。俺彼女にだけは優しいの」
「あはは、ハナエ幸せだねぇ」
楽しそうに笑っている陽菜は、教室にいるハナエに早く話を聞きたいらしく一人先に行ってしまった。
自販機に小銭を入れて、ホットココアを二本購入。