やがて春が来るまでの、僕らの話。
「離せよクソ女!!」
「黙れケバ女!!」
あーもう、ほんとにこれ俺の彼女?
「はいやめやめー」
馬乗りになっている陽菜の腕をガシッと掴んで、羽交い絞めにするように押さえつけた。
「はい撤収~」
「ちょ、離してよひで!まだケリがついてないっ!」
暴れる陽菜を押さえたまま、野次馬の中を歩きだす。
そんな陽菜の姿を見た対戦相手は、鼻で笑って最後に言った。
「ケッ、バーカ」
嘲笑うようなその声に、陽菜の血管がキレる音が聞こえた気がした。
「っ……ムカデ女ぁぁ!!そのムカデいつか剥ぎ取ってやるからなぁぁぁ!!!」