獅子に戯れる兎のように
LINEの内容を確認し、迷うことなくMARIONETTEに行くことに決めた。
虹原と山川の幸せそうな姿を目の当たりにし、そのまま自宅に戻る気になれなかったから。
こんな時に日向を利用するなんて、私も狡い女だ。
駅でタクシーに乗り、新宿に向かう。ラウンジで珈琲を飲んでいると、暫くして日向が姿を現す。
携帯電話には日向からのLINE。
【誰かに見られてはいけないので、先にフロントで部屋を取ります。部屋番号はLINEするので、珈琲を飲んだあとに来て下さい。】
珈琲……
ちゃんと見てたんだ。
日向のLINEを読み、思わず笑みが漏れる。フロントで手続きをしている日向の背中を見つめながら、珈琲を口に運ぶ。
日向はそのままエレベーターの中に消えた。
数分後、部屋番号を知らせるLINEが入る。
ラウンジを出て、周囲を気にしながらエレベーターに乗り込んだ。
悪いことは何ひとつしていないのに、誰かに見られている気がして、鼓動は早鐘のようになっている。
携帯電話を取り出し、母にメールをする。
【結婚式の二次会、三次会に出席するから、帰宅は深夜になる。心配しないで。】
エレベーターはスーッと上昇する。
自分がこんなにも大胆な行動がとれるとは、思わなかった。
七階で降り、部屋のチャイムを鳴らすと、ドアが静かに開いた。
逞しい手が私の手を掴み、室内に吸い込まれる。
「待ってた」
日向は私を抱き締め、耳元で囁いた。
虹原と山川の幸せそうな姿を目の当たりにし、そのまま自宅に戻る気になれなかったから。
こんな時に日向を利用するなんて、私も狡い女だ。
駅でタクシーに乗り、新宿に向かう。ラウンジで珈琲を飲んでいると、暫くして日向が姿を現す。
携帯電話には日向からのLINE。
【誰かに見られてはいけないので、先にフロントで部屋を取ります。部屋番号はLINEするので、珈琲を飲んだあとに来て下さい。】
珈琲……
ちゃんと見てたんだ。
日向のLINEを読み、思わず笑みが漏れる。フロントで手続きをしている日向の背中を見つめながら、珈琲を口に運ぶ。
日向はそのままエレベーターの中に消えた。
数分後、部屋番号を知らせるLINEが入る。
ラウンジを出て、周囲を気にしながらエレベーターに乗り込んだ。
悪いことは何ひとつしていないのに、誰かに見られている気がして、鼓動は早鐘のようになっている。
携帯電話を取り出し、母にメールをする。
【結婚式の二次会、三次会に出席するから、帰宅は深夜になる。心配しないで。】
エレベーターはスーッと上昇する。
自分がこんなにも大胆な行動がとれるとは、思わなかった。
七階で降り、部屋のチャイムを鳴らすと、ドアが静かに開いた。
逞しい手が私の手を掴み、室内に吸い込まれる。
「待ってた」
日向は私を抱き締め、耳元で囁いた。