私の光になってくれて、ありがとう

「僕たちの子ども……？」

エコー写真を見つめる尚の瞳が潤んでいく。光は「そうだよ。私たちの子どもだよ」と頷いた。尚の瞳から涙がこぼれ落ち、光は尚に強く抱き締められる。

「嬉しい……。嬉しいよ、光！！」

泣いて喜ぶ尚を見て、光も嬉しくなる。しかし、心の中には強い不安もあるのだ。こんな自分が母親になっていいのだろうかと。

「私、ちゃんとお母さんになれるかな？この子を傷付けてしまわないかな？」

光は尚を見つめる。尚はすぐに優しく笑ってくれた。スッと光の頬が撫でられる。

「最初から完璧なお母さんなんていないよ。光も僕も初めてお父さんとお母さんになるんだ。戸惑うこと、わからないこと、いっぱいあると思う。でも、一つ一つ二人で勉強してこの子を育てていこう。この子のお父さんとお母さんは僕たちしかいないんだから」

まだ平らなお腹に尚がそっと触れる。ここに確かに新しい命が宿っているのだ。

「ありがとう、尚くん……」