小説世界に転生したのに、八年たってから気づきました
……ローレンのそんな宣言により、なぜか私まで城に行くことになった。まあ、私はレオの婚約者という立場上、いつ来てもいいと言われているから問題はないだろう。
「リンネ、来たのか」
門番から連絡が行っていたのか、城の一角にある魔術院に向かうと、レオが扉の前に立っていた。一国の王太子がそんなにフットワーク軽くていいのだろうか。
「あれ……? えっとレオに会いに来たわけじゃなくて」
「知ってるよ。ローレン嬢の手伝いだって? 魔術院はまだ立ち上げたばかりだろう? 手伝いが必要なほど急ぐ案件があるのか?」
不思議そうなレオに、すかさずローレンが困った顔で小首をかしげる。かわいらしい顔立ちをしているので、上目遣いで見られると女の私でもドキドキしてしまうな。
「ないはずですぅ。クロード様はちょっと無茶しすぎなんですぅ」
「分かった。俺の方からも言っておく」
視界の端で、ローレンがガッツポーズをしているのが見える。なるほど、手伝いってそういうことか。私を連れてこれば、レオが監視に来てくれて、あわよくば苦言を呈してくれるところまで計算していたんだな。賢いじゃん。
「リンネ、来たのか」
門番から連絡が行っていたのか、城の一角にある魔術院に向かうと、レオが扉の前に立っていた。一国の王太子がそんなにフットワーク軽くていいのだろうか。
「あれ……? えっとレオに会いに来たわけじゃなくて」
「知ってるよ。ローレン嬢の手伝いだって? 魔術院はまだ立ち上げたばかりだろう? 手伝いが必要なほど急ぐ案件があるのか?」
不思議そうなレオに、すかさずローレンが困った顔で小首をかしげる。かわいらしい顔立ちをしているので、上目遣いで見られると女の私でもドキドキしてしまうな。
「ないはずですぅ。クロード様はちょっと無茶しすぎなんですぅ」
「分かった。俺の方からも言っておく」
視界の端で、ローレンがガッツポーズをしているのが見える。なるほど、手伝いってそういうことか。私を連れてこれば、レオが監視に来てくれて、あわよくば苦言を呈してくれるところまで計算していたんだな。賢いじゃん。