オレンジ色に輝く校舎で〜君と見つめた最後の時間〜
それは、
希良梨と宇宙が付き合って1カ月後のことだった。
『秋葉』
そう話かけて来たのは宇宙本人。
久しぶりに聞いた、声。
久しぶりに呼んでくれた、名前。
『宇宙?』
『話がある』
宇宙がそう言って、
手を引いて向かった場所。
別れ話かも知れない、そう悟った瞬間...
手を離した。
『秋葉、違うし。
別れ話じゃないから安心して聞いて』
再び繋がれた手、
その足で河川敷に行った。
この場所は、
ふたりが付き合う前に花火をしていたところ。
『話って⁈』
『うん。俺...早退することにした』