オレンジ色に輝く校舎で〜君と見つめた最後の時間〜
『秋葉、夕方から集まるから来いよ』
『どこに?誰が来るの?』
『花火するぞっ。あの河川敷だから。来てからのお楽しみだな』
そう言って、
笑顔を見せた宇宙は背を向けた。
秋葉の大好きな笑顔を見せた宇宙...
その日の夕暮れ時、
家に帰ると早速だった。
お母さんの化粧箱を広げると、
口紅を取り出して塗りはじめてしまった。
口紅だけじゃなくて、
化粧品一式を使って鏡を見ていた。
今日、
誰が来るのかも言われていない。
お化粧をして、
宇宙と釣り合うように...。
キャミソールにミニスカートなんて、慣れもしない格好をして家を出る。