オレンジ色に輝く校舎で〜君と見つめた最後の時間〜





美織ちゃんが言っていた言葉が分かった気がした。





そう、そうだよね...。


秋葉さえいなければ落ち着くんだ。






秋葉は
刃を出して、自らの手首にそっと当てた。




そっと切ったところ、
血が滲み出て来た。



傷口は深くはなかったけど、
血が垂れ落ちる前に包帯を巻く。




その後、
体調が悪化してしまったからベッドに入っていたら寝ていたみたい。




家族が帰ってきているのも知らずに、
その姿に泣いていたお母さんのことも知らずに。





『秋葉っ、秋葉っ? 大丈夫?
ねぇ♪ 』




声かけてくれているのは分かっていたつもりが、目が虚ろになって意識がもうろうとしている。
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