オレンジ色に輝く校舎で〜君と見つめた最後の時間〜





『秋葉っ、秋葉っ。しっかりして。
包帯巻いて、何したの?』




その呼びかけにも答えず、
2度目の呼びかけはお父さんだったみたい




『おいっ。秋葉、大丈夫か?
生きてるか?
おいっ』




お母さんとお父さんが身体を揺らす。



『おいっ。秋葉、大丈夫かよ?
親父、病院行って来たら?』





意識がもうろうとする中で、
お兄さんの声は本当に分かっている。





『姉ちゃん...
嫌っ...お父さんとお母さん。
血じゃない?』


『血っ?』




家族が帰って来たのか、
大きな声で話するのは分かっていた。



意識がもうろうとしていても、
内容は把握していた。

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