花野くんの溺愛は密室で。
白くて細い手がチョークを持って黒板になにか書き始めると白くて綺麗な手が動いて、その拍子に綺麗な髪も揺れる。

私がさっきまで頭を抱えていた問題を一瞬にして解いた花野くんの目の前の黒板には答えがぎっしりと並んでいた。


「できました」




ハイスキーボイスが響く。黒板の字も綺麗までも綺麗で、さっきまで眠っていた人もいつの間にか花野くんに関心の目を向けていた。花野くんは存在しているだけで目立つ人なのに、そこにいるだけで違うのに、こんなにも難しい問題をサラッと解いてしまう。

先生もいつもの眼差しで花野くんを見ていた。




「正解ね」




「こんな問題解けるなんてすごい」
「いつ勉強してるんだろう?」
「サラッと解いちゃう姿めちゃくちゃかっこいいよね」
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