もしもこの世界がバラ色なら私は幸せなのでしょうか。
〜健人side〜



多分、今来たところでは無さそうな藍が手を温めながら待っている姿を見て、


改めて可愛いと思ってしまった。


ニヤけが顔に出ないように引き締めながら、


藍に声をかけて、


手を繋いで目的地に向かう。



藍の手は冷たくて、やっぱり待たせた…ということを物語っている。



今日は特別な日だからな。



俺だって色々考えてるけど、


それがいいのかどうか。



藍は優しいから、そんなに嬉しくなくても喜んでくれるだろうけど……。正直それが一番怖い。
< 252 / 266 >

この作品をシェア

pagetop