乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版
【好きだった】
話は、10月3日の朝7時過ぎのことであった。
その頃、イワマツグループのA班のメンバーたちが旅支度を整えていた。
場所は、今治市松本町にあるけんちゃんの家族が暮らしている家にて…
朝の台所で、エプロン姿のけんちゃんが料理をしていた。
けんちゃんがだし巻きタマゴを作っていた時に、律世がものすごくあわてた様子で台所にやって来た。
「待って、待ってぇ~」
「なんぞぉ!!急に大声出すな!!」
「(つらそうな声で)あなた、なにしてるのよぉ~」
「なにしてるって、朝ごはんのだし巻き(タマゴを)作りよんじゃあ!!」
「料理なら、うちが作るわよぉ~」
「オドレが寝ぼうするけんいかんのじゃ!!」
「(泣きそうな声で)ほやけん、ごめんなさいといよるでしょ~」
「テイシュに対してそのあやまりかたはなんや!?」
「(泣きそうな声で)だから、うちが料理作るからあなたはテーブルに座っていてよぉ~」
律世は、ものすごくつらそうな表情で料理に取りかかった。
律世に料理することを止められたけんちゃんは、腹を立てていた。
(ピンポーン)
この時、玄関のベルが鳴った。
「(泣きそうな声で)あなた、出てよぅ~」
「(イラつく声で)ああ!!分かった!!」
ひどくイラついているけんちゃんは、ドスドスと足音を立てながら玄関へ向かった。
玄関の前には、ふたりの子どもを迎えに来た特別支援学校の女性の先生がいた。
この日は、特別支援学校の遠足で新居浜の総合化学博物館へ行く予定であった。
「コラー!!」
「分かったわよぅ~」
けんちゃんに怒鳴られた律世は、料理する手を止めてふたりの子どもを起こしに2階に上がった。
ふたりの子どもは、律世に『ネムイ…』と言うた。
「明日は遠足だから早く寝なさいと言うたでしょ!!」
「だって…寝られないもん…」
「あんたたちがアニメのDVDでよふかしするから寝られないんでしょ!!学校の先生が迎えに来てるから早く起きなさい!!」
律世は、『ネムイ…』と泣きよるふたりの子どもをふとんから引きずり出したあと、下のキッチンへ連れて行った。
(ピンポーン!!ピンポーン!!)
玄関の外にいる特別支援学校の先生がひっきりなしにベルを鳴らしている。
「田布施とものりくんとかつのりくんのおかあさま~、早くしてください!!」
「は~い!!」
律世は、ものすごくつらそうな声をあげた。
「すみませ~ん、今から朝ごはんを食べさせます~」
「早くしてください!!」
玄関の外にいる特別支援学校の先生が大きな声で叫んでいた。
どうしよう…
朝ごはんができていないわ…
ひどくあせっている律世は、炊きたてごはんが入っている日立のIHスチーム炊飯器のフタをあけて、しゃもじでごはんをすくってお茶わんについだ。
続いて、納豆2パックを冷蔵庫から出そうとした。
しかし、納豆がなかった。
納豆がない…
どうしよう…
ふたりの子どもは『納豆納豆…』と言うて律世をせかしている。
「納豆がない~」
「おかーさん、納豆~」
律世は、気が狂いそうな声でふたりの子どもに怒った。
「あんたたちがおかわりばかりするから納豆がなくなったんでしょ!!」
(ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン!!ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
玄関の外にいる特別支援学校の先生がブチキレ起こす一歩手前になった。
先生は、玄関のベルを激しくならしながらドアを叩いた。
「なにしてんのよ!!学校でまちよる子どもたちのことを考えなさいよ!!」
律世は、泣きそうな声で言うた。
「今、ごはん食べさせています~」
律世は、白いごはんの上に卵を落としておたまさんにしてふたりの子どもたちに出した。
「早くしなさい!!」
「え~、おたまさん~」
「納豆がないけん、おたまさんを出したのよ!!」
「おたまさんよりも、納豆が食べたい~」
「ワガママ言われん!!外で先生が待っとるけん早く食べなさい!!」
ふたりの子どもたちが言うことを聞かないことに腹を立てている律世は、強烈な叫び声をあげながら家中を暴れ回った。
ふたりの子どもたちは『納豆じゃなきゃヤダ~』と言うて泣き叫んだ。
(ガラガラガラガシャーン!!)
ブチキレを起こしたけんちゃんは、テーブルをひっくり返した。
そして、そのまま家から飛び出した。
この日、けんちゃんは(ショッケンの)工場を勝手に休んだ。
同時に、ふたりの子どもたちは遠足に行くことができなかった。
ところ変わって、市制50周年記念公園(市民の森)にて…
「ファイトファイトファイトファイトファイトファイトファイト…」
敷地内の大きなハスイケの周りの遊歩道で、近くにある中学校のスポーツ部の女子たちがかけ声をあげながら走っていた。
勝手に仕事を休んだけんちゃんは、ベンチにこしかけて考え事をしていた。
けんちゃんは、とものりがドーキューセーと異なる学校生活を送っていることに激しい怒りを抱いている。
同時に、事情を抱えているふたりの子どもたちをナマケモノだと思い込んだ。
とものりのドーキューセーたちは、学校でスポーツ部で心身をきたえているのに、とものりは心身をきたえずになにしよんだか…
とものりのドーキューセーたちは、今のうちから目指す県立高校(ガッコー)を決めて受験対策をしているのに、とものりはゼンゼン努力していない…
(一番上の長男)はジエータイに入隊して、心身ともにきたえているのだぞ…
それなのに、とものりとかつのりはごはんおかわりすることと納豆を全部食べることと牛乳パックをからっぽにすることだけいっちょ前だ…
義父母さまが、ふたりの子どもたちを甘やかすけんこななアカン子になったんや…
オレ…
なんで…
律世と結婚したのか…
ソンしたわ…
田布施の家とリエンしたい…
律世とリコンして、ゆりこちゃんと再婚したい…
オレはまだ…
ゆりこちゃんを愛しているのだよぅ…
それなのに…
なんでよーくんが好きなんだよぅ~
そのように思ったけんちゃんは、ゆりこに一方的な思いをつのらせた。
同時に、私・イワマツを憎むようになった。
けんちゃんがゆりこをまだ愛していることはわかる…
だからと言って、なんで私を憎むのか?
理解に苦しむわ(ブツブツ…)
その頃、イワマツグループのA班のメンバーたちが旅支度を整えていた。
場所は、今治市松本町にあるけんちゃんの家族が暮らしている家にて…
朝の台所で、エプロン姿のけんちゃんが料理をしていた。
けんちゃんがだし巻きタマゴを作っていた時に、律世がものすごくあわてた様子で台所にやって来た。
「待って、待ってぇ~」
「なんぞぉ!!急に大声出すな!!」
「(つらそうな声で)あなた、なにしてるのよぉ~」
「なにしてるって、朝ごはんのだし巻き(タマゴを)作りよんじゃあ!!」
「料理なら、うちが作るわよぉ~」
「オドレが寝ぼうするけんいかんのじゃ!!」
「(泣きそうな声で)ほやけん、ごめんなさいといよるでしょ~」
「テイシュに対してそのあやまりかたはなんや!?」
「(泣きそうな声で)だから、うちが料理作るからあなたはテーブルに座っていてよぉ~」
律世は、ものすごくつらそうな表情で料理に取りかかった。
律世に料理することを止められたけんちゃんは、腹を立てていた。
(ピンポーン)
この時、玄関のベルが鳴った。
「(泣きそうな声で)あなた、出てよぅ~」
「(イラつく声で)ああ!!分かった!!」
ひどくイラついているけんちゃんは、ドスドスと足音を立てながら玄関へ向かった。
玄関の前には、ふたりの子どもを迎えに来た特別支援学校の女性の先生がいた。
この日は、特別支援学校の遠足で新居浜の総合化学博物館へ行く予定であった。
「コラー!!」
「分かったわよぅ~」
けんちゃんに怒鳴られた律世は、料理する手を止めてふたりの子どもを起こしに2階に上がった。
ふたりの子どもは、律世に『ネムイ…』と言うた。
「明日は遠足だから早く寝なさいと言うたでしょ!!」
「だって…寝られないもん…」
「あんたたちがアニメのDVDでよふかしするから寝られないんでしょ!!学校の先生が迎えに来てるから早く起きなさい!!」
律世は、『ネムイ…』と泣きよるふたりの子どもをふとんから引きずり出したあと、下のキッチンへ連れて行った。
(ピンポーン!!ピンポーン!!)
玄関の外にいる特別支援学校の先生がひっきりなしにベルを鳴らしている。
「田布施とものりくんとかつのりくんのおかあさま~、早くしてください!!」
「は~い!!」
律世は、ものすごくつらそうな声をあげた。
「すみませ~ん、今から朝ごはんを食べさせます~」
「早くしてください!!」
玄関の外にいる特別支援学校の先生が大きな声で叫んでいた。
どうしよう…
朝ごはんができていないわ…
ひどくあせっている律世は、炊きたてごはんが入っている日立のIHスチーム炊飯器のフタをあけて、しゃもじでごはんをすくってお茶わんについだ。
続いて、納豆2パックを冷蔵庫から出そうとした。
しかし、納豆がなかった。
納豆がない…
どうしよう…
ふたりの子どもは『納豆納豆…』と言うて律世をせかしている。
「納豆がない~」
「おかーさん、納豆~」
律世は、気が狂いそうな声でふたりの子どもに怒った。
「あんたたちがおかわりばかりするから納豆がなくなったんでしょ!!」
(ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン!!ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン!!)
玄関の外にいる特別支援学校の先生がブチキレ起こす一歩手前になった。
先生は、玄関のベルを激しくならしながらドアを叩いた。
「なにしてんのよ!!学校でまちよる子どもたちのことを考えなさいよ!!」
律世は、泣きそうな声で言うた。
「今、ごはん食べさせています~」
律世は、白いごはんの上に卵を落としておたまさんにしてふたりの子どもたちに出した。
「早くしなさい!!」
「え~、おたまさん~」
「納豆がないけん、おたまさんを出したのよ!!」
「おたまさんよりも、納豆が食べたい~」
「ワガママ言われん!!外で先生が待っとるけん早く食べなさい!!」
ふたりの子どもたちが言うことを聞かないことに腹を立てている律世は、強烈な叫び声をあげながら家中を暴れ回った。
ふたりの子どもたちは『納豆じゃなきゃヤダ~』と言うて泣き叫んだ。
(ガラガラガラガシャーン!!)
ブチキレを起こしたけんちゃんは、テーブルをひっくり返した。
そして、そのまま家から飛び出した。
この日、けんちゃんは(ショッケンの)工場を勝手に休んだ。
同時に、ふたりの子どもたちは遠足に行くことができなかった。
ところ変わって、市制50周年記念公園(市民の森)にて…
「ファイトファイトファイトファイトファイトファイトファイト…」
敷地内の大きなハスイケの周りの遊歩道で、近くにある中学校のスポーツ部の女子たちがかけ声をあげながら走っていた。
勝手に仕事を休んだけんちゃんは、ベンチにこしかけて考え事をしていた。
けんちゃんは、とものりがドーキューセーと異なる学校生活を送っていることに激しい怒りを抱いている。
同時に、事情を抱えているふたりの子どもたちをナマケモノだと思い込んだ。
とものりのドーキューセーたちは、学校でスポーツ部で心身をきたえているのに、とものりは心身をきたえずになにしよんだか…
とものりのドーキューセーたちは、今のうちから目指す県立高校(ガッコー)を決めて受験対策をしているのに、とものりはゼンゼン努力していない…
(一番上の長男)はジエータイに入隊して、心身ともにきたえているのだぞ…
それなのに、とものりとかつのりはごはんおかわりすることと納豆を全部食べることと牛乳パックをからっぽにすることだけいっちょ前だ…
義父母さまが、ふたりの子どもたちを甘やかすけんこななアカン子になったんや…
オレ…
なんで…
律世と結婚したのか…
ソンしたわ…
田布施の家とリエンしたい…
律世とリコンして、ゆりこちゃんと再婚したい…
オレはまだ…
ゆりこちゃんを愛しているのだよぅ…
それなのに…
なんでよーくんが好きなんだよぅ~
そのように思ったけんちゃんは、ゆりこに一方的な思いをつのらせた。
同時に、私・イワマツを憎むようになった。
けんちゃんがゆりこをまだ愛していることはわかる…
だからと言って、なんで私を憎むのか?
理解に苦しむわ(ブツブツ…)