乳房星(たらちねぼし)・ドラマノベル版
【挽歌】
1988年11月30日の朝7時頃であった。
17歳になった私は、JR博多駅の西口の広場にいた。
ひろこ姐はんの洋食屋の仕事を勝手にほかした私は、ベンチに座ってラジオを聴きながら考え事をしていた。
イヤホンからKBC(九州朝日放送)ラジオの朝の情報番組が流れている。
放送中に流れていたリクエスト曲を聴いた私は、水俣へ行きたくなった。
私が聴いたリクエスト曲は、村下孝蔵さんの作詩作曲の歌で『挽歌』であった。
水俣は、村下孝蔵さんの出身地である。
(ビーッ、ゴトンゴトンゴトン…)
私は、博多駅から西鹿児島(鹿児島中央)行きの特急つばめに乗って水俣へ向かった。
水俣には、昼過ぎに到着した。
ところ変わって、八代海に面した場所にある大崎鼻公園にて…
(ザザーン…)
私は、海のみえるデッキにあるベンチにこしかけて海を見つめながらウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから流れている歌は、村下孝蔵さんのアルバム『初恋~浅き夢見し』(1983年8月25日発売・CBSソニー)に収録されている歌である。
その中で、『挽歌』を繰り返して聴いていた。
私は、なんでひろこ姐はんの洋食屋を勝手にほかしたのか…
そう思った私は、自分探しをしてみた。
それは11月24日頃だったと思う。
場所は、私がかつていた例の倉庫にて…
11月15日頃だったかよぉおぼえてへんけど、目つきの悪い男にいきなり暴力をふるわれた。
あの時の怒りは、腹ん中でまだくすぶっていた。
11月24日の夕方4時頃に、ひろこ姐はんが菓子折を持って私のもとへやって来た。
(チョキン…)
私は、なにも言わずに仕事をしていた。
ひろこ姐はんは、泣きそうな声で私を呼んだ。
「イワマツさん。」
「(めんどくさい声で言う)なんやねん…」
「イワマツさん…あの~…なんだったかしら…」
「姐はん、用がないのであれば帰ってください…」
「ああ、想い出したわ…この前、悠馬くん(目つきの悪い男)がイワマツさんに急に殴りかかっていった事件で…お、お、お、おわ…おわ、おわ、おわ、おわ、おわ…」
ひろこ姐はんがどもり声で言うたので、私は冷めた声で言うた。
「ひろこ姐はんがどなな形でとりつくろうても、アカンもんはアカンねん…」
ひろこ姐はんは、泣きそうな声で私に言うた。
「ほな、どないしたらええねん?」
私は、冷めた目つきでひろこ姐はんをにらみつけてから言うた。
「ひろこ姐はんはムシがよすぎるわ…あんたね、菓子折を持ってきたからこらえてもらえると思ったら大きなまちがいや…」
「せやけん、どないしたらええねん?」
「せやけん、菓子折持って帰れと言うてんねん…私を殴りつけようとしたクソガキがどなな形でわびようとも、アカンもんはアカンねん…」
「悠馬くんは、うまくものがいえんけんうちが代わりにダイベンに来たのよ。」
「ダイベンひるのであれば、トイレでひれや…オレはあんたの泣き言なんぞ聞きたくないねん…」
私は、ひろこ姐はんを突き放したあと作業をつづけた。
ひろこ姐はんは、ものすごく困った表情でジタバタしていた。
そして11月29日に、私はひろこ姐はんの洋食屋を職場放棄したった…
ほんで、ここ(水俣)へ逃げてきた。
ウォークマンで歌を聴きながら八代海をながめている私は、この先どうしようかと考えていた。
今の状態では…
日本から出国するより、他はないと思う。
17歳になった私は、JR博多駅の西口の広場にいた。
ひろこ姐はんの洋食屋の仕事を勝手にほかした私は、ベンチに座ってラジオを聴きながら考え事をしていた。
イヤホンからKBC(九州朝日放送)ラジオの朝の情報番組が流れている。
放送中に流れていたリクエスト曲を聴いた私は、水俣へ行きたくなった。
私が聴いたリクエスト曲は、村下孝蔵さんの作詩作曲の歌で『挽歌』であった。
水俣は、村下孝蔵さんの出身地である。
(ビーッ、ゴトンゴトンゴトン…)
私は、博多駅から西鹿児島(鹿児島中央)行きの特急つばめに乗って水俣へ向かった。
水俣には、昼過ぎに到着した。
ところ変わって、八代海に面した場所にある大崎鼻公園にて…
(ザザーン…)
私は、海のみえるデッキにあるベンチにこしかけて海を見つめながらウォークマンで歌を聴いていた。
イヤホンから流れている歌は、村下孝蔵さんのアルバム『初恋~浅き夢見し』(1983年8月25日発売・CBSソニー)に収録されている歌である。
その中で、『挽歌』を繰り返して聴いていた。
私は、なんでひろこ姐はんの洋食屋を勝手にほかしたのか…
そう思った私は、自分探しをしてみた。
それは11月24日頃だったと思う。
場所は、私がかつていた例の倉庫にて…
11月15日頃だったかよぉおぼえてへんけど、目つきの悪い男にいきなり暴力をふるわれた。
あの時の怒りは、腹ん中でまだくすぶっていた。
11月24日の夕方4時頃に、ひろこ姐はんが菓子折を持って私のもとへやって来た。
(チョキン…)
私は、なにも言わずに仕事をしていた。
ひろこ姐はんは、泣きそうな声で私を呼んだ。
「イワマツさん。」
「(めんどくさい声で言う)なんやねん…」
「イワマツさん…あの~…なんだったかしら…」
「姐はん、用がないのであれば帰ってください…」
「ああ、想い出したわ…この前、悠馬くん(目つきの悪い男)がイワマツさんに急に殴りかかっていった事件で…お、お、お、おわ…おわ、おわ、おわ、おわ、おわ…」
ひろこ姐はんがどもり声で言うたので、私は冷めた声で言うた。
「ひろこ姐はんがどなな形でとりつくろうても、アカンもんはアカンねん…」
ひろこ姐はんは、泣きそうな声で私に言うた。
「ほな、どないしたらええねん?」
私は、冷めた目つきでひろこ姐はんをにらみつけてから言うた。
「ひろこ姐はんはムシがよすぎるわ…あんたね、菓子折を持ってきたからこらえてもらえると思ったら大きなまちがいや…」
「せやけん、どないしたらええねん?」
「せやけん、菓子折持って帰れと言うてんねん…私を殴りつけようとしたクソガキがどなな形でわびようとも、アカンもんはアカンねん…」
「悠馬くんは、うまくものがいえんけんうちが代わりにダイベンに来たのよ。」
「ダイベンひるのであれば、トイレでひれや…オレはあんたの泣き言なんぞ聞きたくないねん…」
私は、ひろこ姐はんを突き放したあと作業をつづけた。
ひろこ姐はんは、ものすごく困った表情でジタバタしていた。
そして11月29日に、私はひろこ姐はんの洋食屋を職場放棄したった…
ほんで、ここ(水俣)へ逃げてきた。
ウォークマンで歌を聴きながら八代海をながめている私は、この先どうしようかと考えていた。
今の状態では…
日本から出国するより、他はないと思う。